予防として使える「傾聴」

これまでに「傾聴」についてのお話を何度かしてきましたが、「まだ相談するほどのことじゃないし」「まだ頑張れる」と、言葉にするのを先延ばしにしていませんでしょうか?

心の問題は「治療」よりも「予防」のほうが大事と言われています。

「いつもと違うな」と感じたら予防として「傾聴」を使う。

そんな風に、生活の中に「傾聴」を取り入れていくことができれば、今よりも軽やかに生活をすることができるかもしれません。

本日はそんなお話をしたいと思います。

「傾聴」されることの重要性

人は言葉に出して自分を表現することによって、カタルシス(浄化)効果を得ることができると言われています。

そしてそれを誰かに傾聴して貰い、理解されることによって安心感を得たり、歩き出す勇気を貰えたりするのです。

カタルシス(浄化)効果を得るということは、呼吸や新陳代謝と同じようなもので特別なものではありません。

子育てをしている方は、お子様がどのように成長するかを観察するとわかりやすいかもしれません。

子どもの発達・成長はまさに、「自己表現」と「受容」の中で達成されていきます。

そして実は、成長過程は子どもも大人も変わらないのです。

私たちがよりよく生きるために必要な成長は「表現」と「受容」の中で達成されていきます。

「傾聴」によって表現し、「受容」されることは決して特別なものではなく、本来は日常の中に組み込まれているべき作業といえるのです。

「傾聴」の基本的な人間観

「傾聴」における基本的な人間観は、「人間の独自性や個別性を理解し、尊重すること」にあります。

「傾聴」を通してカウンセラーは、何に悩んでいるのか、何に苦しんでいるのか、何を大切にしていて、どこに進みたいのかを捉えようと考えながら話を聴いています。

相談者の中には、「こんな話をしたら恥ずかしい」「嫌われたくない」という思いから話す内容を制限してしまう場合がありますが、その必要はありません。

すべてを個別性として受け止め、受容をするようトレーニングを積んでいるので安心していいのです。

また「傾聴」の中には、非言語的コミュニケーション(ボディランゲージなど)の観察も含まれます。

何かを隠したり、言いづらそうにしていたりという表現もまた、カウンセラーには伝わっています。

だからこそ、少しだけ勇気が必要になりますが、自分の素直な気持ちを表現し、カタルシス(浄化)効果を得てみてはいかがでしょうか?

きっと、自分が「代わりの効かない特別な存在」であるということに気付けることでしょう。

固定観念が存在しない「傾聴」

カウンセラーは「すべてを個別性として受け止め受容している」と記載しましたが、なぜそう言い切ることができるのでしょうか。

そこには理由があります。

カウンセラーが「傾聴」を学ぶ際には、「準拠枠を捨てる」ということを学びます。

「準拠枠」とは、自分の関心・経験・価値観・感情・知識・思考・想像力などのことを指しており、準拠枠を捨てることによって偏見や差別を無くすことができるのです。

もちろんカウンセラーも人間です。

準拠枠を完全に捨て去ることはできないのですが、カウンセラーは相談者の話を聞きながら同時に自分の心の動きにも注意を払っています。

そうすることによって、自分の準拠枠から物事を判断していないかどうかを内省しながら、相談者と向き合うことが可能になるのです。

そして準拠枠を捨てることによって、わかったつもりの「思い込み」や「決めつけ」を防ぐことも可能となります。

「自己内省」としての役割

「傾聴」は、「自己内省」という重要な役割を担っています。

「自己内省」とは、自分自身と向き合い、解決すべき問題を明らかにする作業のことを言います。

つまり相談者は、自分で言葉にした内容を自分で聴くことによって、自己理解を深めていき、混乱している頭の中を整理することができるようになるのです。

皆さんは「シロクマのことだけは考えるな」という話を聞いたことがありますでしょうか?

「シロクマのことだけは考えるな!」と人から言われた時、人間は「何を考えちゃダメなんだっけ?」と思考するのだそうです。

そうすることによって、結果、「シロクマのことだけを考えてしまう」という実験結果があるのです。

つまり、悩みから逃げようとすればするほど、逃げるべき「悩み」にスポットがあたり悩みが深まってしまうのです。

では、どうしたらいいのでしょうか?

そこで必要になってくるのが「傾聴」であり「自己内省」なのです。

悩みから解放されたいと思ったら、一度しっかりと向き合って考えを深める必要があるのです。

人間の脳は同じ悩みのことをずっと考えていると、そのうちその悩みについて考えることに飽きてくるのだそうです。

つまり、悩みから逃れたい場合には、飽きるほどに向き合うしかないのです。

私たちカウンセラーは、相談者一人ひとりが「自分で決めた道を自分らしく歩くためのお手伝い」をするために存在しています。

もし「いつもと違うな」ということに気づき、どこに相談していいのかわからない場合は、「いいよ」の心理カウンセラーを頼ってみてください。

あなたの人生に寄り添いながら、より良く生きるためのお手伝いをさせて頂きたいと思います。

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